日本社会は今、かつて経験したことのない急速な高齢化の進行と人口減少の時代を迎えています。65歳以上の高齢者は国民の3割を超え、なかでも75歳以上の後期高齢者の増加は、医療・介護・生活支援など社会保障全体に大きな影響を与えています。かつては家族や地域社会が担っていた高齢者支援の機能が薄れ、孤立や不安を抱えながら暮らす高齢者が増加しています。
現代の高齢者が抱える課題は、単に身体の健康や生活の利便性にとどまりません。人とのつながりを失い、役割や自己肯定感を見失い、心の不調を抱えたまま暮らしている高齢者も少なくありません。さらに、介護、配偶者との死別、住み慣れた地域からの離脱など、人生の節目に直面するたびに精神的ストレスが蓄積し、孤独感や社会的疎外感を助長する状況が見受けられます。
一方で、私たちはこの高齢化を「課題」としてではなく、「社会の知恵と経験が結集する時代」として捉えなおす必要があります。豊かな人生経験を持つ高齢者が、地域社会の担い手として再び役割を得ることで、生涯を通じて自己実現と貢献を果たせる可能性が広がります。高齢者自身が孤立せず、また同世代や次世代と共に支え合い、地域の中で生き生きと暮らせる「共創の社会」を築くことは、我が国全体の健やかな未来にもつながると私たちは考えます。
このような認識のもと、私たちは「社団法人高齢者支援共創事業団」を設立いたしました。当法人は、高齢者一人ひとりの尊厳と自己決定を尊重しながら、「支援される側」から「共に担う側」への転換を支える事業を推進します。
具体的には、高齢者が地域社会に参画するための環境整備、心の健康を保つための予防的支援、介護や看取りにおける家族支援、そして地域内外の多世代交流を促す共創プログラムなど、多角的かつ実践的な活動を展開してまいります。また、デジタル化によって生じる情報格差や孤独感の拡大にも着目し、テクノロジーを活用した孤立防止の取り組みや、高齢者が安心して相談・交流できる場の提供にも力を入れてまいります。
私たちが目指すのは、高齢者が「もう一度、社会に必要とされている」と実感できる社会の創出です。そのために、自治体・医療福祉機関・企業・市民団体など、多様なステークホルダーと連携し、地域ごとの実情に即した支援モデルの構築と普及を進めてまいります。支援が一方的なものでなく、支える者も支えられる者も、互いに学び合い、成長し合う「共創」の輪を広げていくことが、今の時代に求められる真の高齢者支援であると確信しています。
私たちは、誰もが年齢を重ねることに希望を持てる社会の実現に向けて、力強く歩みを進めてまいります。